Wednesday, May 29, 2013

経済政策I, 第7回

講義内容:
  • 部分均衡分析の実践
    • PC市場の分析
      • 我々の生活はパソコンに取り囲まれている.講義では我々の生きていく世界を経済学のモデルで把握してみた.
      • パソコンを使う側の都合(需要)だけでは,パソコン市場の動向をうまく説明できない.パソコンを取り巻く需給に目を配って初めて見えてくるものがある.世界を理解するためには我々が日常的に認識できる領域の外側へ出ていかねばならない.
      • 数年後には,遊び道具としてだけでなく仕事道具としてもパソコンと付き合っていくことになる.書類を作る,メールを打つ,といった最低限のタスクをこなすだけで満足せず,パソコンの潜在能力を引き出すような使い方を編み出すべく知恵を絞りたい.
        • 独力でプログラミングから保守まで切り盛りする必要はない.テクニカルなタスクは外注すればよいし,一人でできないことはチームで取り組むなりプロのアドバイスを受けるなりすればよい.
    • 肥満税
      • 実際に政策を動かす場合,需要の価格弾力性も考慮しなければいけない要素の一つとなる.
    • 医療保険
      • 保険本来の役割はリスクヘッジにある.が本講義で扱うには難しすぎるので,補助金政策の一例として扱っているところ.
    • 部分均衡分析のグラフを深いレベルで使いこなす作業を繰り返している.最初からうまくできる人はいない.いたずらに不安にならず,慣れるまで試行錯誤を繰り返そう.

中間試験について:
  • 6月12日に中間試験を予定.
    • 出題範囲: 5日の講義でカバーしたところまで.(5章を除く)
    • 出題形式: 選択問題+若干の論述,を予定.
    • 持ち込み可.暗記科目ではないので暗記は不要.内容の理解を問う.
    • 試験対策としては,一度以上レジュメを読み返し,よくわからないところを解消しておく,といった作業が望まれる.持ち込み可だからといってぶっつけ本番にならないように.重箱の隅をつつくようなことはしないので,マニアックな内容までカバーしなくてもよい.
    • 本ブログは試験とは直接関係しない.ブログの隅々までチェックしないと解けないような問題は出さない.
    • 解答にはボールペン(黒または青)を使用してほしい.シャーペン・鉛筆は極力使わないように.理由は,試験終了後の不正な改変を予防する,スキャン時に読み取りやすくする,社会人はボールペンがスタンダード,である.

出席カードのコメントから:
  • 「テストはどんな形式か詳しく説明せよ」
    • 現時点で決まっていることは上述の通り: やった内容をまんべんなく出題,選択問題が中心,論述問題は短め,というペーパーテストを予定.配点は未定.全体的な分量は控えめ.
    • 暗記力は問わない.専門用語は字面でなくその意味内容を押さえて欲しい.
    • 計算は問わない.何かしらグラフを読み書きしてもらう可能性が高い.経済学の試験であって数学の試験ではない.
      • もちろん,グラフを理解するときにはある程度の数学的素養が必要になる.
  • 「需要が非弾力的なときは,増税しても需要側も供給側も損をする」
    • 税負担の帰着については次のレジュメで触れる予定.とりわけ需要が非弾力的な場合,消費者側が重い税負担を被ることになる.
  • 「黒板の音がうるさい」
    • 気をつけます.
  • 「ほしい物が低価格で手に入れられることが理想だ」
    • まったくである.
    • なるべく低コストで同じ成果が得られないか考えることは,経済学でいう費用最小化問題に相当する.
      • 費用最小化問題を直視せず,無駄な労力をむしろポジティブに捉える気質の人は,ブラック企業でスポイルされてしまうかもしれない.
      • もちろん,一見無駄に見える努力が不可避な場面は存在するのだが.

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